当社の背景・実績
株式会社スズキリファイン(2016年設立、事業の一部門として、カンボジアでのJICAの調査事業を受託するなど、カンボジアで長年の活動実績あり)のコンサル部門を独立させて2023年8月に新規設立。母体である㈱スズキリファインでは、浄水器販売事業者のカンボジア進出についてのコンサルティングを行い、事業の成功に導いた実績がある。
弊社は、カンボジア市場の潜在力に着目し、現地ビジネスの成功をサポートするために設立された。カンボジアは近年、経済成長が著しく、外国企業にとって新たなビジネスチャンスの宝庫となっている。しかし、異なる文化、法制度、ビジネス慣習が存在するため、現地での事業展開には多くの課題が伴う。
そこで弊社は、カンボジアにおける長年のビジネス経験とネットワークを活かし、企業様がスムーズかつ効果的に現地市場に進出できるよう支援を行っている。専門知識を持つコンサルタントが、各企業のニーズに合わせた戦略的なアドバイスとサポートを提供し、リスクを最小限に抑えながら、ビジネスの成功を実現する。
弊社のサービスは、市場調査、法務・税務コンサルティング、現地パートナーの選定、ビジネスマッチング、オペレーション支援など、多岐にわたる。弊社はこれらの事業を引き継いで、日本で唯一のカンボジア進出に特化した海外進出事業コンサルティング会社として、トップ企業となることを目指す。
対象国・地域:カンボジア国(Phnom Penh市、Kandal 州、Tbong Khmum 州、Battambang 州)
履行期間:2021年〜2023年
01
国際協力機構(JICA)
案件化調査(中小企業支援型)
「カンボジア国減農薬・減化学肥料農法の導入を通じた高付加価値野菜生産・販売にかかる案件化調査」
SDGs Business Model Formulation Survey with the Private Sector for the Sales/Production of High Value-added Vegetables through Introducing Reduced-chemical Farming Methods
本調査の要約
土壌・微生物などのデータ分析に基づいた施肥、農薬使用による野菜の試験 栽培を行い、その有効性と現地適合性を確認する。併せて地域・土壌の状況 に合わせた栽培管理方法を組み立て、農薬や肥料の使用記録を生産者がつ けることで情報を蓄積する。それを分析することで病害虫の予察能力の持 続的な向上を目指す。本調査の結果に基づき、ビジネスモデルを策定する。
目指 すビジネスモ デル概要
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契約農家へ提案農法の技術指導を有償で行い、契約農家が農産物を栽培する。
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契約農家で栽培された農産物を買上げ、選別・商品化を行う。
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生産地からプノンペンまでの集荷・輸送は現地協力企業に外注する。
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自社ブランドの確立を目指し、野菜の販売から収益を上げる。市場にお けるブランド確立前は他社ブランドへの供給も行う。
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事業が一定規模に達した段階では、供給安定化のために自社圃場の保有 も検討する。
ビジネス展開に よる対象国・地 域への貢献
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提案農法による適切な栽培(農薬や化学肥料の過剰利用を改善)、残留 農薬と安全性にかかる理解の促進
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生産性の高い栽培技術と高付加価値な野菜の普及
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野菜栽培農家の増加による国内野菜自給率の改善
調査内容
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本調査の目的は、開発課題に対する提案農法の有効性を確認し、ビジネス化 に向けた課題分析や条件の確認、商品の価値および栽培した生産物の紹介 等を通じたパートナー候補との関係構築を行い、現地で着実にビジネス展 開をすることである。具体的な調査項目は次のとおり。
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土質・水質・気象の概要
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野菜市場の規模感と品目・品質、消費者ニーズ
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一般的な生産慣行および無農薬やオーガニック等の農法の現状
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病害虫の発生状況、対策の現状等
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02
家庭・オフィス向け電解水素水生成器
履行期間:2023年8月〜10月
調査内容:
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市場需要性を確認
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現市場における競争企業・製品を理解
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既存のビジネスモデルを理解
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現市場において活用されている支払い方法やメンテナンスサービスを理解
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対象顧客の意見・フィードバックや期待の聞き取り
03
カンボジアでの
「SUZUKI SUN FARM」への投資
1. 事業概要
1.1 事業名
「カンボジアで減農薬・減化学肥料農法で安心・安全・健康な野菜を栽培・販売事業」
1.2事業目的
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カンボジア人に安心・安全・健康な野菜を提供し、国民の健康状態を保つようにする。
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カンボジア農家に日本の「減農薬・減化学肥料農法」を指導し、当社の高付加価値化の生産性向上の栽培技術を普及する。
1.3 事業内容
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「減農薬・減化学肥料」の野菜の栽培・洗浄・包装梱包・物流・カンボジア市場への販売
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農業技術指導及びトレーニングプログラムの提供
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「減農薬・減化学肥料」に関するワークショップや見学ツアーの実施
1.4 カンボジアの野菜栽培・販売市場の現状
農業分野はカンボジアGDPの3割、労働人口の約5割を占める主要産業であるが、次のような課題がある。
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隣国からの輸入に依存している園芸作物
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未整備なフード・バリューチェーン
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低い生産性及び品質
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多角化及び商業性、市場へのアクセス等に欠く営農
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農産物の加工業の不足とそれに起因する高付加価値化
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上記の課題から低水準に溜まる農家所得
現在カンボジア農林水産省が野菜の国産化を目指す背景には、野菜の国内需要とそれを近隣諸国からの輸入に頼ることによる機会損失と輸入される野菜の安全性への問題意識がある。カンボジアの独立系シンクタンク Centre for Policy Studiesが実施した調査によると、輸入された野菜は農薬を使用しており価格が低く、結果的に国産野菜のシェアが奪われていることが指摘されている。カンボジア農業開発研究所の調査によれば、プノンペン市内の主要な市場では販売されているトマトの90%近くがベトナムから、5%がタイからの輸入であり、国内産は5%に過ぎなかった。同調査では、シェムリアップの市場ではベトナム産が96%に達していた。更に、輸入野菜は、残留農薬が付着したまま販売されていると多くの国民が信じており、世界野菜センター(World Vegetable Center)による調査報告にも同趣旨の報告が複数あり、カンボジア政府による残留農薬の安全基準などはないことから、食の安全の確保が喫緊の課題と認識されるようになっている。
1.5 現地野菜生産者・卸業者にかかる課題とその背景
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栽培技術:
カンボジアで一般的に行われている慣行農法では播種後は肥料や殺虫剤の散布は行うものの、雑草の除去や成長を促す誘引等は行わない。支柱やマルチフィルムも使用せずに基本的に苗が地面に育つままに任せている。これは生産者が適切な栽培知識を有していないことに加えて、高品質な野菜が高値で売れるとの認識がないことや必要な資材の調達が困難なことが理由に挙げられる。また、播種前の土壌準備や同じ作物を連続して植えることにより起こる連作障害の考え方に乏しく、圃場の状態を考慮せずに植えたい野菜を植えて育つままに任せて収穫を待つため本来得られるはずの収量も期待できない。
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不適切な輸送手段と固定した取引先:
プノンペンにある主要や野菜市場で流通している野菜を確認したところ、葉物はその日の朝に収穫された物でもしおれていた。これは運搬時に温度管理をしておらず、場合によっては幌すらないトラックの荷台で直射日光に晒された過酷な状態で生産地から市場まで運ばれるため鮮度を維持できないためと推測される。しおれた部分は廃棄されるためある程度は廃棄される前提で取引されていることも明らかになった。取引については大きな市場でもセリは行われておらず、各仲卸業者がそれぞれの個人的な人脈間で取引している状態である。つまり生産者、仲卸業者、最終的に野菜を消費者に届ける小売事業者も事業を行うなかで培った独自ルートの決まった相手と取引をしているため、取引相手を変えるスイッチング・コストが高いことが伺えた。本邦では市場とは野菜が集められ、セリを行うことで適正価格を定めて流通させる機能を担う。しかしカ国における市場とはセリを通じた適正価格の決定ではなく、各仲卸業者や卸業者がバリューチェーンにおけるそれぞれの立ち位置から交渉を通じて価格を決めている模様である。
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野菜管理と販売に係る知識不足
野菜の仲卸業者に実施したヒアリングにおいて、高品質な野菜について聞いたところ、自社や周囲の同業他社が取り扱う過酷な環境で運ばれてくる野菜しか知らないため、高品質な野菜のイメーを持っていないことが判明した。つまり温度等が適切に管理されて圃場で収穫された鮮度を保ったまま市場へ運搬するという発想その物がない状態であった。また、市場では直射日光に弱く鮮度を保つために温度管理と水分補給が重要な葉物野菜であってもシェードのない露天で陳列する等、不適切な管理が一般的であった。
2. SUZUKI SUN FARM
2.1 農園情報:
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農園名:SUZUKI SUN FARM
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所在地:SAANG District, Kandal Province, Cambodia
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設立年月日:2023年9月1日
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代表取締役:鈴木 雅也
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農園面積:2.20 ha
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ネットハウス17個
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溜池:3個
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野菜集荷場(野菜洗浄機や包装梱包機の導入待ち)・種苗場、倉庫
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社員寮(一軒家)
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道路、排水溝
未来の道を衆知を集めて切り拓く。